「…で
お前らは何の用で来たんだ」

と、
京也が思い出したように琉架さん達に聞いていた

「今さらだね
組長がたまには家に帰ってこいだとさ」

と琉架さんが京也に用件を言ったら

「はぁー、またか……
近いうちに行くと伝えておいてくれ」

京也がため息と一緒に答えていた時、私は何か忘れてる感じがしていた…

何か忘れてるような…
あっ!
思い出した!!

「京也!
私まだ、聞いてなかったよ
通り名の意味」

そう言う私に京也が口を開き

「いや、俺もよくわからないんだ
周りの奴らが勝手に付けたんだしな…」

と言った途端、
急に秋良さんが

「その事なら俺が教えてあげるー」

「えっ、秋良さんは知ってるの?通り名の由来」

「うん、知ってるよ
てか、知らない人の方が少ないと思うよ
本人と知らなかったみたいだけどね」

そう半ば呆れてた秋良さんだったけど
すぐに口を開き


「まずはね
京也は全国No.1暴走族“氷月ーHyouzukiー”の総長だったんだ
……で通り名の“氷帝の王”はね、その時に付けられてて
整った顔立ちに、
いつも冷たい無表情
切れると何をされるかわからないし、誰にも止めることはできない

圧倒的な実力で街を仕切っている王…

まー簡単に言うとこんなとこかな?」

ニコやかに言い終わった秋良さん。

「……すごい」

私は素直な気持ちを口から漏らしてしまった


「京也、強いんだね」

私が言うと
今度は琉架さんが

「強いってもんじゃないよ
昔1度だけ京也が切れたけど、
俺たちじゃあ手がつけられなかったしね……」

本当に大変だったのか、
琉架さんが苦笑いを浮かべて教えてくれた時

「いらんことを言うな…」

と京也が言った時

「あっ
せっかくハンバーグ作ったのに、冷めちゃった…
京也、どうする?暖め直して食べる?」

私はハンバーグを作っていたことを今まで忘れてて、京也に聞いてみると

「あぁ
実李がせっかく作ったんだしな」

「……京也が食べるのか?手料理を…」

京也が短い返事をすると、今まで話さなかった透さんが私に問いかけてきた

「えっ
京也何か苦手な食べ物でもあった?」

「いや、特にはない」

「よかった」

ニコッと笑いながら言うと京也も笑って

「食べようか」

と言ってくれた

「うん
あ、秋良さん達も食べますか?」

「いいの~ありがとう
でも、急に3人も増えて大丈夫?」

そうきいてきた秋良さんに私は

「うん、大丈夫
少し多めに作りましたから」

と言うと

「じぁ、お言葉に甘えて~
なぁ琉架、透」

「ありがとう実李ちゃん
頂いてくね」

「……あぁ」

秋良さんが言った後
琉架さん、透さんという順番で返事をしてくれた