あれから数日………


もうすぐ夏休みが迫ってきていて、朝から教室がジトジトと暑い……

クラスの人の何人かは下敷きや、うちわでパタパタしている。


私も この暑さに完全にダウン……
机に突っ伏していた。


「かなぁ~…ど~う~?
ダサ男くん。かなに何か言ってきたりしてるぅ?」


聞きなれた声がして顔を上げればニヤニヤしてる まどか。


「………ま、まだだけど。」

私はぷいっとそっぽを向いた。


「あっれぇ~?ダサ男くんは、かなに惚れてるんでしょ~?
声くらいかけてきたって良いんじゃな~い?」


この暑さ+まどかの語尾をのばす言い方+図星でイライラしてきた……。


「………まどか、うるさい。」


むすっとした顔で、まどかを見ずに言い放った。


すると、まどかはため息をつきながら言った。

「もー、そんなふてくされないでよ。
でも、なんで かなはダサ男くんなのよ。」


「…………わかんない。」

「え、はぁぁぁぁ??」


だって本当だもん。わかんないもん。
別に金井くんにビビッときた訳じゃない……。

でも、なんか今までの人とは違う。そう思っただけ。

…………あっちも、私が好きだと思うし、都合が良いというか……。

でも、なぁんでか…あれから話しかけたりしてこないのよねぇ……

シャイなわけ………?もー、待たせないでよ!!イライラする!!!


さっきよりも、イライラが増した私にまどかが言った。


「あ、そいや今日って席替えじゃん。
ダサ男くんと隣になれるかもよ~?
まぁ、確率低いけどねぇww」


それを聞いてバッと まどかを見た。


「ま、ま、ま、ま、ま、まどか本当に!?
今日って席替えなの!!??」


「え、あ、そうだけどw」


「やったわ!!!もう、これに賭けるしかない…!!
待ってなさいよ…金井くん…!!
あなたが私に話しやすいようにしてあげるんだから!!」


ニヤッと笑い、分からないように金井くんを指さした私を見た まどかは……


「惚れてんのは、どっちなんだか……。」


なんて言ってクスッと笑ったのを私は知らない。