オレ様彼のお嫁さん!

「私……復帰…できないんだよね。」

私は笑ったつもりでいたけれど頬に熱いものが流れた。

信条くんも察してくれたのか、

「そうか。」

と、それ以上のことは突っ込まなかった。

「でも……。」

信条くんは続けた。

「陸上が出来ないだけであって陸上に携わることはできるんだろ?」

「えっ…?
まぁ…。

でも……、私は続けたかった。
て言うか、続けないと私はこの高校にいる意味がない…」

最後の方は八つ当たりをしてしまった。

「じゃあ、ここにいる意味を創ればいいだけの事じゃないの?」

「どうやって……?」

「陸上が好きなら陸上に貢献する。

………。マネージャーとか?」

その一言が私に来た転機だった。

マネージャー……。

そんなこと全然、考えていなかった。

それはそれで良いかもしれない。

競技をする事は無理だけれど競技をする人を支えることなら私にだって出来る!

「いる意味がないなら創ればいいだけ。」か………。

この時からもしかしたら私は信条くんに気があったのではないか。

でも、それはまた2年後の話。