ここに入り、どれくらい時間が経っただろうか。



時間など気にもしていられない状況だったため、どれくらい経ったのか分からず、航空機の燃料の心配もしなくてはならなくなってきた。


「なあ、着陸して歩いていくってのはどうかな」


「下は剥き出しの岩だらけだ。

さすがの俺でも着陸は無理だ」


何とか考えだした提案をあっさりと却下されてしまい、なお更どうすればいいのか分からなくなってしまう。



こんなときイビルだったら何を考えているのだろうと思い、視線を向けると、歯を食いしばり、震えるほど右手を強く握っていた。

やはり、イビルも不安であり、どうすることもできなくてもどかしいのだ。



どうすることもできない。



それでも・・・



僕はイビルの横に立ち、そっと手を握った。



驚いた表情でこちらを見てきたが、すぐにいつもの笑顔へと戻る。



僕は振り返り、ソラを僕とレイの間に来るように手招きをした。



ソラはゆっくりと立ち上がり、僕の手を握り、反対の手でレイの肩を掴んだ。



どうすることもできない。



それでも・・・僕たちは信じている。