「ここのどこかに、洞窟のような入口があるはずだ。

探すんだ」


ソラの手を掴んだまま、僕も操縦席へと移動し、必死になって探す。

旋回を繰り返す機体から、見たこともない入口を探すなど・・・


「・・・あった」


この航空機が一機入るのがやっとというくらい、それくらい小さいが確かに入口はあった。


「行けるかい、このスピードで」


「だから、俺の飛行技術をみくびるなって」


「それよりも、もし違っていたらどうするんだよ」


「どちらにせよ、ここで逃げ回っていても助からない」


「だったら・・・」


二人は覚悟を決めたようだ。



だから、嫌だったのだ。



こんなことに巻き込まれることなど。



いつも、決断をするのは一番最後。



そして、今もやはり僕が最後。


「レイ、頼むぜ」


しかし、今は違う。


今は、最後でもいつもとは違う。


「うおおお」


スピードを落とさずに、僕たちは未知の入口へと入っていった。