大魔法使いの孫




  【side尚】



 俺は自分の苗字が嫌いだ


 物心ついた時から、ずっとー…



 ー*ー


 「尚」


 「何ですか?お父様」



 あれはまだ俺が3歳の頃、


 「我々の種族はな、長年この種族を恨んでいるんだ」


 そう言って親父に見せられたのは、水晶球に映る人の姿


 えらい年老いている


 「何で恨んでいるのですか?」


 「ん?それは、この種族が悪い奴らだからだよ」


 「悪い…奴らですか?」


 「あぁ、我々の邪魔ばかりするんだ」


 「お父様方は、毎晩何をなさっているのですか?」


 「それは言えないんだ」



 その時、俺にはまだ親父が何をしているのかが分からなかった


 ただ、その時流行っていた『魔法戦士ヒーロー』みたいに悪い奴を懲らしめているんだとばかり思っていた



 けど、知ってしまった。


 親父が本当にしている事を