大魔法使いの孫




 ー
 ーー


 「お爺様??」



 「うん、この人があなたのお爺ちゃんよ」


 あれっ?


 これはいつの記憶だろう


 三才ぐらいの記憶だろうか



 まだ幼かったアタシが、そこにはいた



 そしてそこには光の反射で顔は見えないが、和服を着たお爺様らしき人がいた


 「茜はお母さんが好きか?」


 「好きだよ!」


 「じゃあ、お父さんは?」


 「好きっ!」



 「そうか。この幸せが続くと良いんだけどね…」


 そう、お爺様は意味深な言葉をアタシに残した


 「なぜ白魔法使いと黒魔法使いは争わなくてはならないのか…」


 「じゃあ、戦わなくていいんじゃないの?」


 「そうしたいんじゃが、黒魔法使いの奴らが仕掛けてくるんじゃ」


 「なんで?」


 「ワシを恨んでおるからじゃ。幼なじみだった拓磨(たくま)の妹を…助けてやれなかった」


 「妹?」


 「あぁ…。これはアルリンしか言ったことのない話だが、特別に教えてやろう。長い話になるがのぉ」


 そう言ったところで、突然消えてしまった