現在、目の前のノートに書かれた物語は、後輩の女の子が、大好きな先輩に向かって言った、 『先輩!』という台詞で止まっている。 どうしても、そこからが進まない。 ここで先輩は何というべきなのか……。 ……あー、わからない! ホントに私、男心わかってないよな……。 私は16年間彼氏なしだから、まあ当たり前なんだけど。 「『先輩!』……」 目の前の台詞を、ふと呟いてみた時。