きっかけは東さんの一言だった。 「宮下さんってさ、宮下しんくのお姉さんだろ?」 「あ、はい。そうですよ。」 しんくが東さんにこの事を教えたのは話で聞いたので知っていた。 ちょうどかさなった休憩時間。 またいつものように楽しく時間を過ごせると思っていた。 …でも。 「宮下ってさ、あ、しんくの方な。すっげー人見知りだろ?だから俺が話しかけるまでずっと一人で本読んでたんだ。」 「え…?」