7月の暖かい風があたしの濡れた頬を乾かす。
しばらく手すりを握って景色を見ていた。
「大丈夫?」
あたしが落ち着くのを待っていてくれたんだろう。
少し控えめに春香が言った。
「うん。ありがと。」
「......てもいいんだよ…」
「え?」
「泣いてもいいんだよ。泣きたくなったら、泣いてもいいんだよ。」
知佳が真顔で言う。
…ううん。その顔は、真顔じゃない。
いつもよりやわらかい表情。
やさしい瞳。
知佳のそんな顔始めて見た。
良かった。
2人があたしの親友で。
2人がいなかったら、あたし…
ありがとう。


