それは小学校6年生の頃
「先輩って恋人とかいるのー?」

「ねぇ、いるのー?」

廊下ではイケメン先輩に「恋愛」に関する質問が飛び交っている。

この学校は階がクラス分けで、学年わけじゃないのが不思議だ。

「あはは、いないよー」

ズキ…

私は先輩に恋をしている。
普通なら「ホッ」とするところだろう。
普通なら!!!

でも違う。
恋をしているのは事実だ。


付き合っているから「いないよ」と言われるの心底傷がつく。…それも深く。


先輩の家には行ったことはない。
私の家に来たのは…いや、ない。

そう、キスもしてない、アレもしてない、手繋いでない、目合わせない。

え、まってなんのために付き合ってんの。

別に身体目当てではない。
唇目当てでもない。

ただイチャイチャ楽しいことがしたいのみ。
付き合う意味すら先輩は知らんのか。




「先輩」

「亜依」

「好きです」

「?知ってるよ」

「手繋いでいいですか」

こーゆうと聞こえないフリをする。


「なんで無視するんですか?」

「え?どうしたんだい?」

いつもこう。今日は思い切ってキスを…

「なぁ、亜依」

ドキッ

「は、はい」

「別れてくれないか?」

「…へ?」

「別れて欲しいんだ。俺と。」

「ど、どうしてですか?」

「え?好きな人ができたからだよ」

「そ、そうだったんですか…。」

「ああ。すまないね」

「い、いままでありがとうございました」

「それじゃあ。」






私と先輩は終わった。
未だに先輩に恋している。









________これはまぎれもない事実____

忘れなきゃいけないのに____