『良正君、どこに行くの?』
「授業だ」
授業かぁ、私も、幽霊になんてなってなかったら、授業受けて、普通に女子高生やってたのかな。
「言っておくが、授業中は喋りかけてくるなよ?」
『了解しましたー、王様!』
「お前……いや、いい。お前に、構うだけ無駄だ」
イライラしながら席に座る良正君。
あ、まただ…………
クラス中が良正君を遠目に見てる。
なんで、話しかけないんだろう……………
「今日もかっこいいね、木田様」
「うんうん、あのクールさが良いよねぇ~」
女の子達からしたら、良正君はアイドル的な存在なのかも!クールが良い、かぁ……そうかな?クールじゃなくて冷徹って言うんじゃ…
「チッ、気取りやがって……」
「秀才様は俺等とすら口もききたくねぇってか」
あ……
男子からはあんまり良く思われてない?
良正君、大丈夫かな?
絶対今の聞こえてたよね………
そっと顔をのぞき込んでみると、良正君は表情を変えることなく読書をしている。


