「馬鹿幽霊、そんなくだらん事に権力振りかざす馬鹿がどこにいる。あ、ここにいたか…」
『ちょ!ひどいっ!』
なに、この密かな逆襲は!!
むぅ~、この堅物王様め!!少し夢をもったっていいじゃん!
『でもさ、こうも崇められちゃうと、なんか寂しくない??』
誰とも話せないし。
良正君、学校来てから生徒会の人としか話してるの見た事ない。
しかも、事務的な事ばかりで、とてもじゃないけど、雑談とは程遠い。
「いつもの事だ、慣れている」
『慣れてるって……そんな事に慣れなくていいのに』
そんな、寂しいままでいいなんて、ましてやそれに慣れちゃうなんて寂しすぎるよ。
「それに、友達とかそういうモノが生きる上で必要なのか?俺は、そんなうわべだけの関係に一喜一憂する時間が、無駄に思える」
『え、ええー……?そんな、うわべだけなんて事ないと思うよ?本物の出会いだってあるはずだから、誰かを好きになったりするんじゃないの?』
友達や恋人と過ごす時間が、無駄なものなんて思えない。
そんな考え方、悲しすぎるよ……
「好きになる?それこそ無駄な感情だな。そんなモノ、生殖本能が働いた結果だろ、所詮、子孫を残せるなら誰でも良いんだよ」
『…………重症だわ』
まさか、ここまで冷徹だったとは。
むしろ、人としての何かを失ってるわ、この人!!


