教室に入った時にまず目についたのは一斗。
一斗が話していたのは男子――
ではなく隣の席の女の子だった。
しかも楽しそうに笑って話していて。
一斗が話している女の子は、肌も透き通るように白いし、目はパッチリ二重。
少し茶色っぽい髪の毛はサラサラのロングで、笑顔も仕草もかわいい。
それに対してあたしは、肌はあんなに白くないし、髪の毛はいつもポーにーテールだ。
声だって低めだし、性格だってとても女の子らしいと言えるものじゃない。
あたしなんかよりも全然女の子っぽくてかわいい子だった。
楽しそうな一斗を見ていると胸がチクン…と痛んだ。
幸い一斗に気づいてないらしい真夢たちと少し話をしていたら、担任の先生がきて、入学式の説明をした後に体育館へと移動した。
入学式の時もあの子と一斗は隣で、またさっきのように楽しそうに話していた。
