ゴールネットを揺らすのは。


「あっ、いた。」

ふと顔を上げると白築先輩がこっちに

走ってくる姿が見えた

「お疲れ様、最後良かったよ。」

はい、と渡されたスポーツドリンクを

ありがたく受け取り喉を潤す

特に話すわけでもなく

ただ横にいてくれるのは

先輩なりの気遣いで

さっきまでの胸の蟠りが消える

「そうだ、飴あげよっか。」

はい、と渡されたのは

先輩がよく食べている桃の飴だ

「先輩これ、好きですね。」

「これが一番桃って感じがするん…あっ!」

やっぱり返して、と言うので首を傾げる

「…なんかやだから。次、桃山だし。」

ああ、そういうことか。

「じゃあ尚更もらいますよ。」

えっと言うのを横目に口に放り込む

あの時からずっと変わらない

懐かしい甘さが一瞬で口に広がる、が

ーーガリガリガリ

「え、もう噛むの?」

「噛んで、潰すってことで。」