監督からもう少し詳しい話を聞く

「あと星野。

ここだけの話にしてほしいのだが

桃山との試合、あるだろ。

その時蓮見を気にかけてくれないか。

多分あいつに容赦なくやってくる。」

「わかりました。」

「白築もフォロー頼むな。」

「わかりました。」

そこで監督からの話は終わった

「蓮見君の過去ってまだ深そうだよね。」

「…かもしれないね。」

いつもならはっきり言う星野君の返事が

少しだけ歯切れが悪かった

「あ、あのさ。橘さんって…さ。」

あぁそういうことか。

「別に深い意味ないと思うよ?

それに夏祭り楽しみにしてたよ、莉子。」

「良かった…」

この二人も夏祭りに行く約束をしたらしい

本当に莉子の事が好きなんだなあ


この時は星野君の歯切れの悪さも

これから起こることも何も知らなかった