ゴールネットを揺らすのは。


体育館を出て見渡すと中庭のベンチに

明らかに項垂れた姿がひとつ。

横に静かに座る

「暑いわね。」

きっと昨日の連日の雨のせいだ

湿気も多く感じる

ーこれがダメなのよね、ひかり。

「……俺、先輩方が引退したその日に

いつものように先輩と帰ったんです。

でもどこか様子がおかしくて。

てっきりキャプテンに選ばれて

不安とか責任とか感じてるのかなって

思ってたんですけど…。」

蝉が騒がしく鳴いている

「違うんですよね、先輩が来ない理由。」

そこまでわかったらもういいかな

「涼華先輩が俺に言ったんですよ、

"ひかり大きいもの背負ってるんだから"って

それがきっと…理由なんじゃないですか。」

一瞬蝉が鳴くのをやめた

「今日、ひかりの家に行くけど来る?」