私はその時ホッとした様子の蓮見君を
見逃さなかった
そして最初に声を上げたのは新田君だった
「なんで俺なんすか?!
他の先輩の方が俺より上手いっすよ!
それに1年でも蓮見の方が上手いし
いくら馬鹿でもそれぐらい分かりますよ!
こんな形で選ばれてもうれ「新田。」
「そこまでにしとけ。」
隣に座っていた蓮見君が前を向いたまま
新田君を制した
「はぁ?!ふざけんなよてめぇ!
何クールぶってんだよ!
悔しくねーのかっ!
俺みたいなやつに負けてよおっ!」
それでも蓮見君は冷静だった
「お前みたいなやつになんて思わねえよ。
お前が選ばれたってことは
それはお前の努力の証で
チームに必要だってことだろ。
監督言っただろ、
バスケはチームプレーだって。」
それに、と静かにつけたす
