ゴールネットを揺らすのは。


先輩が倉庫に向かって歩き出したので

その後をついて行くと

倉庫の入り口の前でピタリと足が止まった

「あのさ。」

俺に背中を向けたまま

口を開いた橘先輩はいつもより

低く、真剣な声だった

「ひかりの事、どう思っててもいいけど

ひかりを悲しませたり傷つけたり

したら許さないから。」

「俺…白築先輩の事傷つけましたか。」

先輩は倉庫の中に入り道具を準備しながら

うーん、と唸った