あ、次移動教室だ。急がないと。
「まゆ~移動教室だから急ご!」
「そうだね!行こ行こ!」
「あ、どうしよう。教室に忘れ物しちゃった。」
「今からならまだ間に合うし行ってきなよ!私先生に頼まれごとされちゃったらから先に行かないと。1人で行ける?」
「だーいじょうぶ!先行ってて!」
「うん、じゃあ急ぎなよ!」
確かに間に合うか間に合わないか微妙な時間だ。
私は急いで教室に戻ると
「あ、あのっ……!」
あれ、まだ教室に誰かいるのかな?
中に入ろうとすると
「ず、ずっと……好きだったんです……!つ、付き合ってください!」
……え?もしかして、これ告白ってやつ?
慌てて身を隠す。
これって、聞いてていいのかな?なんかすっごい罪悪感が……で、でも私教室に用あるし……
「ごめん。そーいうの興味ないから。」
……今の声、なんか聞き覚えが……あ!朝霧くんだ!絶対そうだ!やっぱりモテてるって本当なんだ。
ガラッ!バタバタバタッ!
あ、女の子行っちゃった……。あの子泣いてた。すっごい好きだったんだろうな。
私はそーっと教室に入ると、朝霧くんは自分の席に座りうつむいていた。