学校につき、教室に入るとすぐに視界に入る。


「きゃー!怜央く~ん!」


「怜央くん、おはよぉ~!今日もかっこいい~!」


…うるさい。毎日毎日飽きないのかな?


あの黄色い声を浴びているのは
学校1モテている男子朝霧 怜央だ。


運動神経抜群で顔も芸能人並みにかっこいい。勉強もできて完璧男子。1か月に5人の女子には告られるらしい。


まあ、私はあんな奴なんて興味もないけどね。だから、毎日あんなに騒ぐ女子の気持ちが分からない。



「あ~、今日もすごいね~朝霧くん」


「そーだね、あんな奴のどこがいいんだか」


「あははー言うね!」


「だって~。確かにかっこいいとは思うけど
 あの中に入るほど興味ないし…。」


「ミルカは昔からイケメンとか興味なかったもんね~。そーいうとこもミルカらしいなあ」


「そーかな?」


まゆと話してる間にHRのチャイムが鳴る。
まゆにまたあとでね、と言い自分の席につく。


チクチクと視線が痛い。


でも、その視線は私にではなく…
私の隣の朝霧くんに向けられたもの。


朝霧くんの席の隣と分かった時の女子の冷たい視線と深いため息が出てしまったことは今でもよく覚えている。