同じことで何度も喧嘩した。
お金の使いすぎ、掃除もしない、洗濯もギリギリまでしない…
夢があるのに頑張れない彼の気持ちがわからなかった。
春先のあの日も、普段と同じようなけんかをした。
お互い素直になれなくて、一歩引くことがなぜか、できなかった。
もういいよ、別れよう。
そう、言われた。
そう言われても素直になれず、怒りに任せて、そのまま別れてしまった。
あんなバカなことはない。
別れてからも何度も会った。
ダメだとわかっていながらも、関係も持った。
一緒にいると安心した。
彼も、たぶん同じだった。
手を繋ぎ、一緒に寝た。
幸せだった。
けれど、素直になれなかった。