1年目の2月。
私と彼はとてもなかよくなっていた。

職場の皆で旅行にも行った。
夜は彼と抜け出して、
手を繋いで知らない街を散歩した。
寒くなって、車の中で手を繋いだ。

海沿いまで言って、星を見た。
地元はもっと良く見えるよね、いつか行きたいね、そんな話をした。
そのまま、手をつないだまま、眠りについた。


職場に違い彼の家に、みんなでよく行った。いつからか、私一人で行くようになった。夜勤明け、眠くて眠くて、彼の部屋で一人でうとうとしていたとき、ふと彼に触れたくなった。

「おいでよ」
「いいよ、せまいし」
「寒いから、ちょうどいいよ」

そう言ってしばらくして、彼はきた。


「ねぇ」
「なぁに」

こんな掛け合いを、何度も何度もした。
彼がずっと、何か言いたそうにしていた。


そしてやっと、

「好きなんだけど…どうしよう」

胸が高まった。
こんなに優しくて、かわいくて、頼りになって楽しくて。
そんな人が好きと言ってくれた。
本当に嬉しかった。

「どうしようね」

そう答えるのが、精一杯だった。



「付き合おう。」
「うん」



これが私達のはじまりだった。