息の仕方を忘れた頃、通知音が一度なった。

マオ》それは…初恋ってやつじゃないかな?(´・ω・`)
名無しくんはいったいどうしたいんだい?

僕は吸い込んだきりの空気を一気に吐き出した。

自分の願いを言ってもいいと、彼女は待ってくれた。

僕の目からは涙がこぼれた。

何て優しい人なんだろう。

しっかりと僕の意見を聞こうとしてくれる。

だけど僕はそれに甘えてしまった。

名無し》わからない(´・ω・`)
でもいつかはこの気持ちに蹴りを
つける気でいるよ(^^)
どんな結果であってもね。

僕の言葉に彼女は小さく応援をして、そこで連絡が途絶えた。

例えとかではなく、文字通りに。

僕はちゃんとした形で彼女に伝えることはできなかった。

僕の一大決心は矛先すら見失って、もやのように胸にとどまった。

そんなある時いつもの奴らが、日課と言わんばかりに僕にちょっかいを出した。

場所は決まって体育館倉庫。

だけどあいにく、僕の機嫌は悪かった。

かんしゃくを起こした僕は近くにあった鉄パイプを振り回した。

狭い空間で最強の武器を持った僕に奴らは逃げ出した。

僕は初めて勇気が出た。