『先生、この中で着やすいの着てください。』
そう言って服を先生に渡すと私はキッチンに戻った。
『浩兄、ご飯出来たから運ぶの手伝え!!』
「手伝って下さい、だろーが。」
文句を言いながらも料理を運んでくれる浩兄。
あ、さっきの話途中だったんだ。
『ねぇ。』
「なに?」
『なんで小野先生と仲いいの?』
「なんでって、教師の後輩、兼、中高、大学の後輩だから。付き合い長いんだよ。」
中学からって長っ!!
ん、それって……
『小野先生とデキて「んなわけねぇよ!!俺、ちゃんと彼女いるから!」
『え!?浩兄、彼女いたの?』
「いるよ。元気がとりえの可愛い彼女(笑)」
『なに、ニヤけてるの。気持ち悪っ。』
「先輩、服、ありがとうございます。」
『ぬぉっ!!』
急に先生が出てきて変な声が出てしまった。
横で浩兄はお腹抱えて笑ってるし。
先生は引きちぎれるんじゃないかなってくらいにすいませんと何度もお辞儀をしていた。
『もういいですよ。ご飯冷めますし、早く食べましょう。』
四人がけのテーブルに浩兄と先生が隣り合わせに座り、向かいに私が座った。
『「いただきます。」』
パクリと一口、先生がハンバーグを食べた。
「お、美味しいです!!桜彼さんは料理お上手なんですね!!」
目をキラキラさせながら、嬉しそうに言ってくれた先生。
『もしかして今日のリクエストは先生ですか?』
「はい!凄く美味しいです!ありがとうございます!!」
凄くハキハキと喋る先生。
とても喜んでくれてる。
嬉しいけどなんか……恥ずかしい
『私が作ったんですから美味しいのは当たり前です!』
私は嬉しさ、恥ずかしさを隠すように言った。
