遥か向こうから不良達の怒鳴り声が響いていたが、しばらくして何も聞こえなくなった。


『…はぁ……はぁ……。』

結局あたしも途中から本気で走る羽目になり、超ばてばて。

ってか…なんつー古典的な回避法だよ…。


「あー…疲れた。あんたこんな時間に何してんのさ??家出なんかやめて良い子はさっさとお家に帰りなさいっ。」


誰ですのん…あなた…。
近所の井上さんですか…??


『だって、帰りたくても帰れないんだもん!!!!』

「―――はい??」


あ〜〜〜〜もうこうなったら全部吐いてやる!!
憂さ晴らししてやるっての!!!!


『ちょっと色々あって今両親はどっか行っちゃってて――おまけに家は閉鎖されて入れないから今帰る場所も無くなっちゃったし…!!』

「ほー…そら〜大変だったな。」

『全く、何が修業だっての!!普通女子高生を外に放置して修業に行く両親が居るの?!居るのか??!!居るんだよっ!!あたしん家に!!!!有り得ないっしょ!!!!も〜〜〜思い出したらまたムカついてきたあぁぁぁ〜〜!!!!』


あたしの暴走は止まらなくなった。