裏道万屋の事情

そして連れていかれると言うよりは運び込まれるような気絶した松風 蓮と他の不良達はパトカーで去って行き、あたしと輝さんと弘さんと愛羅はただそれを何も言わずに見送った。


「…菜子、桜庭さん、四条さん。ありがとうございました。」

『ううんっ、別に大したことはしてないって!!』

「いえ。皆さんが居なかったらどうしようもなかったですし、蓮さんのことをただの『悪人』で終わらせてしまうところでした…。蓮さん達がやったことは簡単に許される事ではありませんが………それでもやっぱり、初めて出会ったときから私は蓮さんが好きなんです。」

『愛羅……うん、愛羅が好きならそれで良いと思うよ。』

「まぁあいつはもう二度とこんな事しねぇだろ。」

「今度会ったときには、きっと蓮くんは見違える程立派な人に変わっているんじゃないかな。」

「…はい!!じゃぁ、私の家に戻りましょう。迷惑や心配を掛けてしまったみんなに、今回の事…全て話そうと思うんです。」


そう言った愛羅は前よりも強くなり、何かを決心したように感じられる。








あたし達は七瀬川家までの道程を四人で並んで歩いて帰った。