「やめときな。みっともねぇ。」


何だとぅ〜〜???!!!
あたしは声のした方を睨んだ。


「女一人に男三人たぁちょいと卑怯じゃねーか??」

「あぁ??!!誰だてめぇっ!!?」


あ、そっちですか。これは失敬!!
あたしはしかめた表情を元に戻し、その人をじっくり観察。

そこには、金髪で背の高い二十代後半くらいの男性が立っていた。

うん、顔はなかなか良い線行ってんじゃないかい??MY金髪ヒーロー。


「まぁー、ただの通りすがりだ。」

「ただの通りすがりが首突っ込んでくんじゃねぇよ!!」

「んー…って言われてもな〜〜…もう突っ込んじゃった後だしー??」


何なんだ…??この人は…。
助けてくれてるっぽいけど何なんだ…??
ヒーローにあるまじきこのゆるさ加減は………。



「―――あっ。」


突然金髪が不良達の後ろを指差した。


『えっ??』

「「「あぁん??!!」」」


あたしと不良達は指された方向に一斉に目を向けた。




――と同時にあたしは後向きのまま凄い速さで不良達から遠ざかり始めていた。


『へっ…??ちょっと…?!』

「バッカがっ見る〜〜♪」


何と、金髪は一瞬の隙を付いてあたしの腕を掴んで猛スピードで走りだしていたのだ!!!!