裏道万屋の事情

「愛羅。」

「はい??」

「今日は帰さないよ。」

『「えっ??」』


ちょっとちょっと突然どーしたのこの人??
お前を離したくないゼ!!的な??!!


「そうそう。俺の友達も愛羅に紹介しようと思うんだ。」

「蓮さんの…??」


そしてあたし達を囲むようにして、六人の柄の悪い人達が現れた。


「あなた達は……あの時の……!!!!」

『愛羅知ってるの?!』

「蓮さんが私を助けてくれた時に私が囲まれた人達です…!!」

『…!?一体どういうこと??!!』

「覚えてくれてたなんて光栄だな〜。」

「しっかし…まんまと蓮の演技に騙されてたよなー!!」

「蓮お前役者になれんじゃね〜??」

「うっせーよ。」



何なの…こいつら―――

訳が分かんない。



「ごめんな??愛羅。愛羅って、あの七瀬川家の娘なんだろ??俺前に街でボディーガードと歩いてる愛羅見かけたことあったんだよね。そん時にそういう話してたの聞こえたんだ。で、この前偶然一人でいた愛羅を見つけたからさ。」

「まさか…そんな……。」

「ちょっとこいつ等に悪役頼んで近付いたって訳。信用させといた方が後で都合良さそうだったし??そしたら、想像以上の副産物付いてきたし!!」

『どーいう意味…??』

「まさかお友達まで連れてきてくれるとはね!!愛羅の友達ってことはあんたも金持ちなんでしょ??」

『つまり…あたし達を人質にして身の代金要求するって魂胆な訳…??』

「察しが良いね〜菜子ちゃん??でも人質なんて人聞きが悪いなー。ちょっと囚われのお姫様を演じてくれてれば良いだけだよ??」

「蓮〜どっちも一緒じゃんかよー。」

「てかお前その話し方キモイから止めろよ!!」


不良達は爆笑しだした。


「…ぅ……ぅ……。」


しゃがみ込んで泣きだしてしまった愛羅。



最低………。

愛羅の気持ちを踏み躙ってそんなこと考えてたなんて……!!!!


こいつ等………







許せない―――!!!!