裏道万屋の事情

『愛羅〜〜〜♪来たぞ〜!!!!』

「どーも。」

「こんにちは。」

「こんにちは。菜子、また来てくれて私嬉しいです!!」


愛羅マジかーわーゆーす〜!!!!

あたしが男だったら絶対愛羅を彼女にする!!


『ねぇねぇ愛羅。』


あたしはヒソヒソ声で愛羅に言う。


「はい??」


『ここだけの話、愛羅って好きな男の子とかいたりする??』

「えっ………。」


みるみる内に、愛羅の頬は赤く染まっていく。


「あ、あの………秘密ですよ…??実は…。」

『うん。』

「私、家の中にずっと居るのも外へ付き添いなしで出掛けられないのも、正直耐えられなくなってしまって…。ある時、家を一人でこっそり抜け出したんです。」

『ほうほう。』

「そして、街へ行きました。その日抜け出した時間は夜でした。街を歩いていたら、5、6人の恐い男の方達にいきなり囲まれたんです…。でも、その時――」


愛羅はほほ笑みながら話した。


「一人の男の方が、私を助けて下さったんです。二人で一緒に公園まで走って逃げました。」


『わお〜。』


「その方の名は、松風 蓮(マツカゼ レン)さん。私は一瞬にして、蓮さんに一目惚れしてしまいました…!!それから私は毎日のように家を抜け出しては、蓮さんに会いに行ってるんです。」

『そーだったんだ!!ってか、超ドラマチックじゃん!!何か良い感じだねぇ〜。どんな人なの??』

「…いつもとても優しくて、素敵な笑顔を向けてくれて、とにかく蓮さんの全てが魅力的です。」

『うっきゃー!!!!愛羅ってば可愛い〜!!!!乙女の代名詞〜〜!!!!!!』

「もうっ!!菜子からかわないで下さい〜。」

『ごめんごめーん。』


真っ赤な愛羅。

可愛いからついついいじりたくなっちゃうんだよな〜〜!!

いやーあたしってば相当Sキャラじゃ〜ん。








「…何か凄い盛り上がってるね。」

「女の会話は底無しだよな、全く…。」