裏道万屋の事情

『ああぁ…。』

「何だよ。」

『弘さんの後ろの方が良かったなぁ〜。』

『黙れ。振り落とすぞ。』

そう言って、本気なのか輝さんは左右に激しくバイクを動かしながら走る。

おい何やってんだこの人?!
マジで落ちるっての!!!!


『ちょちょちょっ!!止めて下さいって!!!!!!殺す気かっ!!??殺す気なのかあんたはっ!!!!!!』



誰か〜

この男を逮捕して下さ〜い!!!!



「はんっ!!振り落とされて車にひかれて死にたくなきゃー大人しくしっかり掴まってろ。」

『〜〜〜〜っ!!!!』


そんな残酷なこと吐く大人が居て良いのかっ?!

くっそ〜このドS鬼畜野郎め!!!!!!


「だ〜れがドS鬼畜野郎だって〜〜????」

『言ってない言ってない!!全く以て言ってないっス!!!!』



ひいぃぃ〜〜〜!!!!
声に出してないのに何故?!
ってか人の心の中読み取ってんじゃねえぇ!!!!

普通に怖いわ!!!!!!



さすがに身の危険を感じたあたしはその後一言も喋らず、言われた通り大人しく輝さんに掴まっていた。















「よし着いた。行くぞ。」


あたし達はバイクから降りて、再び七瀬川家を訪ねた。