『話してくれてありがとう。』

「うん。…何でだろう。」

『え??』

「なんかよく分かんないけど、菜子には何でも話せちゃうんだ。」

『…そう??何か嬉しいな。』


単純に、嵐が胸の内を明かしてくれることが嬉しかった。

こんなあたしでも頼ってくれる人がいるんだな〜!!


話をしている内にもう学校の前に辿り着いていた。


「菜子。」

『ん??』


嵐はあたしの頭をまたよしよしと撫でた。


『聞いてくれて、ありがと。』


そう言うと嵐はいつものように別れの挨拶もせずいきなり去っていった。

ただ、いつもと一つ違ったのは―――












『嵐が………





笑った………??』



いつもどんなときでも銅像のように無表情の嵐が、去り際に一瞬、笑顔を覗かせた気がした。


あまりにも突然でほんの一瞬だったから、もしかしたら見間違いだったかな…?!

と思う頭とは対照的に、心臓は激しく動く。





ああああ〜〜〜〜!!!!
何なのもうっ??!!

静まれ心臓〜〜〜〜っ!!!!!!