輝さんの言う通り、愛羅はお嬢様だとは思えない程足が速かった。



うーむかなりのギャップだ…。



しばらく走り続け、愛羅の家からかなり遠ざかったところでやっと愛羅は走りから歩きに切り替えた。

あたし達も同じように歩きにした。


『な、何で…愛羅あんなに走ったのに…息あがってないんだろう…??』


爆走し過ぎたあたしは息も絶え絶え………。

死にそう―――

ってかいつだかもこんなことあったような…。


「お前持久力無さ過ぎ。よくそんなんで空手だっけ??続けられてるな。」

『あんなガチの状態でずっと走り続けられる訳ないでしょーが!!!!持久力以前の問題ですって!!!!!!』

「二人とも静かに!!尾行がばれたらどーすんの?!」


と言っている弘さんこそ声がでかいぞ??

あたし達が話していると前を歩く愛羅がいきなり立ち止まった。



「(やべっ!!)」

『(ばれた?!)』

「(隠れて!!)」



あたし達は一斉に電信柱の裏の壁にへばりついた。


若干周りの人の冷めた視線が痛い気がするが、ここは敢えて気付かないフリをするのだっ!!!!