裏道万屋の事情

放課後、部活の樹里と別れたあたしは下駄箱で靴を履き替えて帰路につく。



『はぁ〜…シンデレラか…』



文化祭楽しみだったのに、何だか一気に気が重くなってきた…


どうせやるなら時代劇とかでバサバサ人を斬る役とかが良かったな。


それかまだ王子役の方がマシだった気がする。


…そうだよ!!

もっと早く気付くべきだった!!


でももう主役はあたしで台本考えちゃってるだろうしなぁー…


今さら変えられないか。



『……嫌だなぁ。』

「何が。」

『うわっ???!!!』



校門を出た瞬間耳元に聞こえたその問い掛けに驚いたあたしは2、3歩後ろへ飛び退いた。



『な…嵐?!ビックリさせないでよ、もう…。ここあたしの学校だよ??こんなとこで何してんのさ??』

「菜子を待ってた。」

『は?!』

「輝さんが今日は絶対一緒に帰ってこいって。」

『何で??』

「さぁ。」





うーん………



なんか嫌な予感がするのはあたしだけだろうか…