「菜子。父さんと母さんはこの道場を今よりもっと強くするための修業を積んでくる!!修業が終わるまでこの叶道場は一時閉鎖するぞ!!」


ええ、あたしはもちろんおったまげましたとも。


『…は?!あたしは??!!』

「菜子は学校があるでしょう??だから修業はお父さんとお母さんだけで行ってくるわね。それで、悪いんだけど私達が帰ってくるまでこの家は締め切るから、菜子、他に住む場所を自分で探してくれる??」


あっさりとそんな爆弾発言をかましたお母さん。



マジで………??



『―ちょちょっ!!ちょっと待った!!!!何でこの家に居ちゃダメなのさ?!』

「父さん達が居ない間に道場破りが来たら困るだろう??菜子もそれなりに強いとはいえ、やっぱり菜子一人だけではまだ任せられないんだ。」


そんなこと言われましても…。確かにあたし一人で叶の看板担ぐ気はないけどさぁ………。


『いやいや嘘でしょ?!あたしだけ置いてけぼりな上に家からほっぽり出してく訳??!!』


有り得ないっしょ?!


「ごめんね菜子。今日中にはもう出るからあなたも必要なものだけ荷物まとめなさい。それと、これ。私たちが居ない間の生活費ね。」


そう言って手に握らされたのは札束と通帳。



…生々しい……。
ってか、札束…?!ここで生の札束渡しちゃうのか??!!物騒な!!!!


「父さん達は菜子と道場のために頑張ってくるからな!!」





―――あたしのためを思うなら今即刻この行動を中止して下さい―――