裏道万屋の事情

あたしは騙された悔しさと怒りのままに、走って一気に男の目の前に詰め寄るとその顔に向かって蹴りを繰り出す。



『はぁっ!!』






















――パシッ!!――










『?!』



何っ……??!!



あたしの足はその男に片手で受け止められていた。



あたしは一切手を抜いてはいない。





こいつ…強い…!!



「…いきなり危ねぇなぁ〜。」

『くっ…離せ!!!!』

「あぁ、良いぜ。」



その瞬間、地に着いていた方の足を男に足で思い切り払われ、あたしは背中から地面に倒れる。



『つっ…!!!!』



痛みで一瞬止まった隙に、男に脚の上に座られ、さらに両腕を掴まれた。



『くそっ!!はーなーせーっ!!!!』



足と腕をジタバタと動かすが、男の手は全く外れない。





こ、これ…



ちょっとヤバイんじゃね…?!