裏道万屋の事情

お店から出たところであたしは誰かにぶつかった。



「…菜子??どうした??」



その人物は輝さんだった。



『すみません!!休憩中の嵐に呼ばれてるんでちょっと行ってきます!!』



あたしはそれだけ言うとすぐにまた走り出す。



「おいっ?!ナオ??!!」



輝さんの呼ぶ声が聞こえたがあたしは無我夢中で走り続けた。



あたしは嵐に呼び出されているということしか頭に無かった。















必死な様子の菜子に、輝明は仕方無いと思い店内に入る。



「何だ、テルか。」

「…ユウ、何だとは何だ。」

「俺はアラシに用がある訳よ〜。アラシを待ちわびているお客さんがいるからさー??」

「今休憩中なんだろ??呼びに行った方が早くねぇか??」

「え??違う違う、休憩じゃないって!!俺がゴミ捨て頼んだだけだからすぐ帰ってくるし。」

「………はぁ??ゴミ捨て?!だって今菜子の奴――…」



輝明がそう言い掛けているとき、










「ユウさん、行ってきた。」



何と、嵐がお店に帰ってきたのだ。