「…嫌ですっ!!!!」



突然聞こえた女の子のそんな声。



その声の方を見ると、2人組の男があたしと同じくらいの年で黒のロングヘアーの女の子に絡んでいた。



「いーじゃん。暇なんでしょ??こんなところに1人でいる訳だし。」

「ってかむしろナンパ待ちしてんじゃねぇの??」

「違います!!」

「威勢良いなぁ〜気に入ったわ。」

「奢るからさ、行こうぜ??」



片方の男が女の子の肩に手を回した、



「!!嫌っ……」





―――パシッ―――





と思った瞬間、その男の腕を嵐が掴んでいた。



ってか、あれっ?!


いつの間に??!!


たった今まであたしのすぐ近くにいたのに…!!





「何だてめぇっ??!!」

「関係ねぇ奴は引っ込んでろよ!!」

「確かに関係はない。


…けど、嫌がってる。」



嵐は無表情でそう言った。



「はぁ??だから関係ねぇだろ?!殴られてぇの、か…??」



男が掴まれた腕を動かそうとしているようだが、全く動かない。

いや、動かせないらしい。



「…くそっ!!離せ!!」

「ここからいなくなるなら離す。」

「もうお前らに関わるのはこっちから願い下げだ!!」



嵐が手を離すと、



「お前ら覚えとけよ!!」



そう言って男たちは去っていった。