裏道万屋の事情

ひとしきり泣いて落ち着いたあたしは愛羅に嵐とのことを話した。



愛羅はずっと黙ってあたしの話を真剣に聞いてくれた。



『あたしだけ…忘れられちゃったよ。』

「………。」

『思い出してほしいけど…嵐はあたしに会いたくないみたいでさ。』

「………。」

『だから…あたしはもう――』



















「良いんですか??」

『…え??』

「菜子はそれで良いんですか??」

『でも、もう…仕方無いよ……。』



あたしは力無く俯いた。



すると、愛羅の両手がまたあたしの頬に近付いてきた。























と思った瞬間――






















――パァンッ!!!!!!――



『い゙っっってぇぇぇぇぇぇ――!!!!!!』



あたしは頬を押さえてのたうち回る。



何と頬を両側から挟んで平手で叩かれたのだ。

しかも超強く。



ってかマジ痛いっての!!!!


うわ何か自然に涙出てきたんですけど?!







そうだ…


忘れてたけどこのお嬢様めっちゃ強いんだった…!!



松風 蓮だって最後鳩尾に一撃食らって死にかけてたもん!!