「……………誰。」
…え??
嵐ってばいつの間にそんな高度なボケかませるようになったのっ??!!
あ、さては輝さん仕組んだな??!!
しかし、その考えは輝さんの顔を見てすぐに消えた。
輝さんは驚愕の表情をしている。
嵐以外のその場にいた全員が目を丸くさせていた。
「……お前何言ってんだよ…??」
輝さんは引きつった笑顔で嵐に言う。
しかし嵐は―――
「誰、あの人。諒と相原の友達??」
耳を疑った。
嵐の目は間違いなくあたしを見ている。
『…あははははっ!!!!ちょ…やだなぁ嵐!!何言ってんの??!!悪い冗談は止めよう???!!!』
あたしは笑ってそう言った。
ってかそうするのが精一杯。
「…冗談??あんたが何言ってんの。」
嘘………
これって…
こんなのって…
輝さんは嵐の両肩に手を置く。
「いーか??嵐……もう一度聞き直す。
――あそこにいるのは誰だ…??」
「知らない。諒と相原の友達じゃなければ、輝さんの知り合い??」
みんな言葉を失った。
『嵐………??』
あたしが呼び掛けるとこちらを見る嵐。
「…何か、あんた見てるとイライラする。帰ってくんない。」
あたしには…いや、あたしだからこそ分かる。
無表情な中にも微妙に見える嵐の表情。
…不快そうな表情が見えた。
だからはっきりと分かっちゃったよ。
嵐が冗談を言ってないってこと―――

