『ふんっだ!!良いですよーだ!!!!…ってか、あんま長居しちゃ悪いんで、今日中にはもう出ていきますよ。』

「えっ??そうなの??」

「あ??何だお前、どっか行く宛てあんのか??」

『いや…あるかと聞かれればないですけど――これから探します。』


だって昨日会ったばかりの人達の家に居候なんて、さすがにそれはダメだよね、うん!!!!


「…昨日みたいにまた絡まれても知んねーぞ…??……タバコ買ってくる。」


頭をボリボリ掻きながら輝さんは出かけていった。
…急に何だ…??


「…全く。素直じゃないよな〜輝は。」


弘さんはやれやれといった感じで言った。


『え??』

「輝は――まぁ昔ちょっといろいろあったみたいでさ…。適当で、一見どーでも良いオーラ出してる感じだけど、本当は人一倍菜子ちゃんみたいに困ってる人のこと放っておけない性分なんだよ。言葉では絶対そうは言わないけどね。」

『そー…なんですか…。』


―――確かに。

昨日不良達から絡まれてたあたしを輝さんが助けてくれたのは紛れもない事実。
あーいうのって見て見ぬフリする人結構いそうなのにね……。



――あの不良共………

覚えてろよっ!!!!!!



――じゃなくて。
やべっつい本能がっ…。



とにかく、何だかんだで輝さん良い人だなぁ。