『佐野少年〜…。』



自分の膝を両腕で抱え込み、顔を膝に押し付けた。





もう怒った輝さんでも良いから早く誰か来てほしい…



やっぱ輝さんに掛け直そうかな………。



あたしがそう思い始めたその時―――


















――スポッ――



突如、両足に何か冷たいものがはめられるような違和感を感じた。



…へっ…??



顔は伏せたまま、目だけを動かして自分の両足を見る。





そこには、先程男達に向かってあたしが投げつけたはずのあの下駄を履いた自分の両足があった。



一瞬理解できなかったが、自分の両足の先に誰かの膝も見えた。


自分の目の前に誰かが立っているらしい。


































「見〜つけたっ♪全く、お転婆だよなぁ………俺達のシンデレラ…??」



誰かと考える前に耳に入ってきたその声に、あたしは自分の血の気がサーッと引いていくのを感じた。

鼓動も早まる。



慌てて顔をあげて目の前にいる人物の顔を見たと同時に、あたしは背後から誰かの両手によって口と鼻を覆われた。



『―――むぐっ??!!』



ツン、と薬品の臭いがして、あたしは布を押し付けられている事に気がついた。


霞んでいく意識の中にはっきりと刻まれたのは、目の前の人物はさっき佐野少年と振り切ったあの2人の男の内の1人だということ。


『これの…どこが…シン、デレ―――』













あたしの意識はそこで途絶えた。





教訓 18... -end-