裏道万屋の事情

もうあそこまで歩くのも億劫だっての!!!!



とは言え、人の波に逆らって突っ立っている訳にもいかず、あたしは佐野少年に指示された石段に重い足取りで向かった。


向かう途中、周りの人達のたくさんの会話がよぎる。





何かみんな楽しそう…。


そりゃそうか、お祭りだし。


なーんであたしは一人でお祭りになんか来て―――
































じゃなかったあぁぁっ!!!!



色々あってすっかり忘れてたけど、あたし輝さん達と来たんじゃん!!!!



やっべこれ怒られる?!

輝さんの雷落ちちゃう??!!





そうこう考えている内に石段に到着し、あたしはそこに腰を下ろす。





とりあえず佐野少年が帰ってきたら輝さん達の事話して射的屋に戻らなきゃなー。



あ、そうだ。

一応輝さんに連絡入れとこ―――





ん??


携帯を取り出すと着信ありを示す青い光が点滅している。



































やっぱ無理ぃぃっ!!!!


何この着信44件っていう図られたとしか思えない不吉な数字は???!!!


しかももちろんというか、着信履歴にはサディスト、サディスト、サディスト………というサディストの羅列が―――。



(※サディスト=菜子が携帯に登録している輝明の名前)





『………触らぬ神に祟り無し。』



恐怖が勝ったあたしは電話を掛け直さずに携帯を巾着にしまった。