『とにかく!!喧嘩はやめましょうね!!!!』

「はあ??あんたいい加減にしねぇとただじゃおかねぇよ??!!」

『望むところ――…』



そこまで言いかけて気付く。


いつもの構えができない。


















しまったああああ!!!!!!


あたし今浴衣なんだったあああああ!!!!!!



どうすんのこれ動けないじゃんこれ!!!!





あ、でも極道の女性は着物でヤクザと闘ってるんだよね…??

























って、やっぱ無理いいぃっ!!!!


ドラマの見すぎだろ樹里ママあぁっ!!!!



足上がんないもんこれ!!





「へぇ〜すごい自信じゃん。女だろうと手加減しねぇよ??」



男2人がこっちに近付いてくる。



マズイな……

さすがにこの格好じゃ、男2人に対抗できそうにない。







だとしたら――















あたしは左手で少年の手を取り、右手で自分の履いていた下駄を持った。



「えっ…どうし――」

「…走るよ。」



そう言ってあたしは最大限の力を振り絞って走り出した。


浴衣足開かねえ!!!!

超ピッチ走法!!!!!!


まぁ今はそんなこと気にしている場合じゃない。



「おいコラ!!」

「待て!!!!」

「ちょっ………追ってきてるって!!!!」

『よっしゃ任せろ!!』

「任せろって、あんた――…ぇえっ???!!!」

『うらあああああああっ!!!!!!』



あたしは右手に持っていた下駄を男達に向かって投げつけた。



「「ぎゃあああああぁっ!!!!」」





――スコーン!!!!――





男達の叫び声をバックのBGMに、少年とあたしはお祭りの人混みの中に駆け込んだ。





こうしてあたし達は上手く逃げ切れた。



教訓 17... -end-