木に隠れて向こうを覗くと、2人の男があたしと同じくらいの年のキャップを被った少年と言い合いをしていた。



「なぁ弟君??折角こっちが下手に出てやってんのにさーそれは無いんじゃねぇの??」

「ただお姉さんとの仲を取り持ってくれれば良いだけなんだからさー。」

「くどいんだよ!!僕はそんなことする気はさらさら無いんだ!!!!失せろっ!!」

「…てめっ…どうやら力で従わせるしか無いみたいだな。」

「―――っ!!!!」



少年の顔に向かって片方の男が拳を突き出す。













――パシィッ!!――














『ストップストーップ!!』



間一髪間に合った〜…


あたしは少年に当たる前に男の拳を右手で受け止めた。


全く、折角の楽しいお祭りで何争ってんだっての!!!!


「…んだよてめぇ!!邪魔すんな!!!!」

『…って言われてもねー…こっちも仕事でやっているのだよお兄さん。』

「はぁ??仕事だと?!」

「訳わかんねぇ!!お前何者だ??!!」

『叶 菜子。



………これは、万屋の仕事。』



「えっ?!あんたが万屋??!!」



男達でなく、少年がかなりの反応。


何故に??



「万屋だかなんだか知らないけどさ、これは俺等の問題な訳。あんたに関係無いじゃん??」

『お祭りのマナー違反者排除。それが承った依頼内容だから、関係あるのです。』



あれ、排除じゃなくて注意だったっけ??

まぁいっかどっちでも。



「だから何で関係あるんだよ!!」



むっきー!!!!

今言ったじゃん??!!


話聞いとけコラァ!!!!!!