裏道万屋の事情

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俺は生まれたときからずっと親戚のおじさんとおばさんに育てられていた。

実の両親のことは分からない。

むしろおじさんとおばさんが本当の両親のようだったから、実の両親なんて俺にはどうでも良かった。



おじさん達も何も言ってこなかったから、幼いながらも俺は察して何も聞かなかった。



真相は分からなかったけど、優しいおじさんとおばさんと過ごした毎日は楽しいし居心地が良く、暖かくて、俺は何より幸せを感じていた。



幸せを、











感じていたはずなのに――…
















そして、俺が7歳の時。

まだ小学生になってそんなに経っていない時。







俺は肌寒さを感じ、目を覚ました。



















辺りを見回すとそこは外で、どこかの空き地だった。


俺はそこにパジャマのまま横たわっていた。



昨晩は確かに家の自分の部屋で布団に入って寝たはず。



なのに、何で自分はこんなところにいるのだろう。





空は薄暗い。

一体今何時なんだろう。








様々な疑問が浮かぶ中、俺はとりあえず家に帰ろうと起き上がった。





立って気付いたが、俺は裸足だった。

布団に入って寝たときのままの格好。







もしかして夜中寝惚けてここまで出てきてしまったのか…??










俺は仕方なく裸足のまま歩き始めた。




















今でも忘れられない、裸足で道を歩くその感覚。





――とても、



冷たかったんだ――…