倉庫から出て、階段を上る。



そういえば輝さんと弘さんがいない。


おそらく、2人も付いてきてたってことは嵐に知られない方が良いと踏んだんだろうな。



万屋で一緒に過ごすうちにあの2人の動き方が何となく分かるようになってきたんだよね。



あたしも嵐には黙っておこう。






「どうして俺のこと追って来たの??」



一人で頭の中で考えていると、突然嵐に声をかけられた。



『えっ…とー……それはー………出来心ってゆーか…若気の至り…??』



く、苦しいっ!!!!

我ながら苦しいよこの言い訳!!!!!!



「……………。」



疑いの眼差しでじっとあたしを見てくる嵐の視線が痛い今日のあたしです、はい。



『別に、嘘ついてないもん。興味本位でふらーっとついてっちゃったんだもん。』



とりあえず開き直る。



『それより………あの人誰なの??』



そこがすごい気になる。

昔からの知り合いってことは分かるけどさ。


あんな言い合いだけで理解しろって方が無茶ぶりでしょ!!



「ライは………




…………………友達。」

『え??それだけ??』

「それだけ。」



はいぃっ???!!!

全然答えになってないっての!!!!





でも、嵐が敢えて真相を避けてるんだから多分言いたくないんだろう。



「さっきのもただの喧嘩。いつものことだから、気にしないで。」



いつもただの喧嘩で鉄パイプが飛び交うか?!普通??!!

どんだけだよ!!!!!!



『…変わった感情のぶつけ方だね。──だだの友達の割りには…。』

「そう。変わってるんだよ。」



あたしの密かな攻撃もあっさりとかわされた。


でもこの調子じゃ多分これ以上聞くのは無理っぽいな。