裏道万屋の事情

嵐は猫に囲まれる中、しゃがんで懐から何かを取り出した。











ちょっと待て。


あれどー見ても今朝の食卓で消え去った牛乳じゃん!!!!

うわしかもご丁寧に皿まであるし!!!!!!

まぁ当然の如く、あれも家にあったはずの皿だよね、うん。










……ど、泥棒〜っ!!!!!







嵐は5枚の皿に牛乳を入れて猫達に与えた。

猫達は何のためらいもなくそれを飲んでいる。



『…手慣れてる。ってことは日課なのかな??』



嵐はしばらくそこで猫達の様子を眺めていた。






「何であいつ嵐のこと追っ掛けてんだ…??」

「でもさ、実際今の嵐くんの普段の生活は僕達も把握し切れてないからねー。これを機に知っておくのも良いんじゃない??」

「まぁなー。確かにあいつが萌葱さんに会うことを避けてんのは気に掛かんだよな。何を考えてんだか…。」

「萌葱さん心配してるのになー。僕達もしばらく付いていってみる必要がありそうだねー。」

「だな。」