「答えは別に急がない。ゆっくりで良い。俺待ってるから。だからさ………」

『……うん。』

「…それまでは今まで通り普通に接してくれよ。俺もそのつもりで接するから。」

『………うん。』

「じゃ、戻るか。」

『あ……ごめん。後からすぐ行くから先行っててくんない…??』

「ん、分かった。後でな。」



諒はあたしの頭をポンッと叩くとさっきの来た方向へ戻っていった。

――何で…いつもは思いっきり叩くのに今はそんな優しく叩くかな………。


正直気持ちの整理が着かない。


だってあたしは今まで諒の事をそんな風に見たことが無いのに??

諒は違ったんだ………。



何かもう―――



『……よく分かんないや。』





「うむ。そうだろうそうだろう??だが仕方ないのさっ。今はたくさん悩む時期なのだよ!!」

「良いよな青春って感じで!!告白とか初々しいなぁ〜…。」

「良かったな、お前みてぇなのを好きになる物好きが居てくれてよ。」

「菜子ちゃんにだって良いところはあるよねー??例えば〜…元気なところとかさーっ!!」



……………………………。


自然と目の下が痙攣した。



自分の周りを見ると……

ああ…やっぱあんた達かっ!!!!



『何人の告白現場覗き見してんだゴルァ???!!!』

「おやおや心外だねっ!!僕等はずっとナオの事を心配して見守っていたのだよ?!」

『嘘を言うな嘘をっ!!ってかずっとつけてきてたんかいっ?!店はどうしたぁ!!』

「案ずることはないさ、ナオ!!他の四人に頼んできているのだからねっ!!」

『人のプライベート覗く暇があるなら働いてこいっ!!』



最悪だあぁ〜〜〜…

まさかこの人達に見られてたなんて…。



きっとこれをネタにまた万屋の仕事をがんがん手伝わされるんだ―――



かわいそうなあたし…。