『ねぇ諒ってば!!』

「………。」

『諒??!!』

「………。」



何なのもう??!!
意味分かんないっての!!



『おいコラっ!!人さらいかお前は?!聞いてんのかこんチクショー!!!!』



諒はビーチの端の人から離れた場所まで着くとあたしの手を離して振り返る。



「うっせぇな!!誰がお前みたいな女さらうかっ!!自意識過剰なんじゃねぇの!?」

『ここまで引っ張ってきたのあんたでしょーが!!』

「……………はぁ。」

『な、何……??』

「俺はお前と口論するためにここに連れてきたんじゃない。」

『じゃぁ何なの??』






「…………きだ。」

『……えっ??』



ボソッと呟かれた諒の言葉を聞き取れないあたし。



『今何―――』
















「お前の事が好きだっつってんだよっ!!!!………一回で分かれ、ボケ。」














う………そ…、でしょ――??


まさか諒があたしのことそんな風に思ってたなんて…


知らなかった…。

ってか、分かる訳無い。



だって―――


顔合わせたらいつだって口喧嘩になって。

頭はいきなり叩かれて。

あたしがドジしたら真っ先にバカにしてきて。





そんなので―――















気付く訳無いじゃんか…。